ある男

小説を読み、映画化されることを知り、楽しみにしていた作品。

「愛したはずの夫は、まったくの別人でしたー」

まったくの別人と分かったら、信頼を失うような気もするが、すでに他界した後となると、どうしたらいいものだろう。人と出会った時、その人の「過去」もとても大事な部分であると思う。自分が出会う以前のことを全く知らず気にせず付き合っていけるものなのかな。

本当のことだけを積み重ねていくのは無理がある。とはいえ嘘をつき続けながら生きるのは色々と苦しいような。

誰かになりたいと思ったこと、ありますか?

自分に起きた出来事を誰かに渡すのも気持ち悪いし、みんな何かあるだろうから、別の人のをもらうの、ためらう。

映画館まで行くか迷って、席に腰かけ、暗闇の中のスクリーンで観て、来て良かった。集中できる空間や映画のための時間は特別なものだ。