ホイッスラー展 Whisler Retoro Spective
横浜美術館で開催中のホイッスラー展を訪れました。
ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834-1903)は、アメリカ・マサチューセッツ州に生まれ、幼少期をロシアで過ごした後、1855年、21 歳の時に画家になることを志しパリに渡りました。パリでは、シャルル・グレールのアトリエに通う一方で、ギュスターヴ・クールベと出会い、レアリスム(写実主義)に感銘を受けます。19世紀欧米の画壇において、最も影響力のあった画家の一人であるホイッスラーは、ロンドンとパリを主な拠点として活躍し、クロード・モネなど印象派の画家たちとも親交がありました。また構図や画面空間、色彩の調和などに関して、日本美術からインスピレーションを得て独自のスタイルを確立したジャポニスムの画家として世界的に知られています。ホイッスラーは、絵画は教訓を伝えるために存在するのではないと考え「芸術のための芸術」を唱えた唯美主義を主導しました。“音楽は音の詩であるように、絵画は視覚の詩である。 そして、主題は音や色彩のハーモニーとは何のかかわりもないのである” ホイッスラーはこう語り、1865年以降“ シンフォニー”、“ ハーモニー”、“ ノクターン” といった音楽用語を用いて、絵画の主題性や物語性を否定しました。同時代の潮流である、レアリスム(写実主義)、ラファエル前派、古典主義、象徴主義、 ジャポニスムなど、さまざまな要素を取り入れて、唯美主義者として独自のスタイルを確立し、同時代、そして次世代の芸術家たちに広く影響を与えました。本展は、新たな芸術誕生の牽引者となった、ジャポニスムの巨匠・ホイッスラーの全貌を紹介する、日本では四半世紀ぶりとなる大規模な回顧展です。 (美術館ホームページより)
ニューヨーク、ワシントン、シカゴ、ロンドン、パリなど至る所に作品があり、何度も見たことのあるホイッスラー、今回の横浜の展示、貴重なものだったのでしょうが、他の事で頭がいっぱいで、ほとんど見ることができなかった。足を運んだだけ、になってしまいました。
ただこの日、あまり好きではなかった奈良美智の作品に魅入ってしまい、長いこと作品と向き合えました。「春少女」。作家が生み出す作品は、当たり前ですが、ひとつ、ではない。嫌い、という感情も大事だけど、多面的に見ると、異なったものになるのだな、と、作家、作品、だけじゃなくて、人も、いろいろなことも。