今週のDVD
・「The Best offer/La migliore offerta 鑑定士と顔のない依頼人」
ジュゼッペ・トルナトーレ
・「Punch-Drunk Love パンチドランク・ラブ」PTA
・「魚影の群れ」相米慎二
・「The Squid and the Whale イカとクジラ」ノア・バウムバック
ジュゼッペ・トルナトーレは、イタリア・シチリア島の出身、「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」「マレーナ」の監督です。
作品を観てまず思ったのは、あー2013年の公開年にやっぱり映画館に行くべきだった、ということ。
監督のインタビューを読む。「主人公の男性が「本物は絶対にある」という信念があり、それが希望につながるのだと思う」「作品のポイントは、「偽りの中に真実がある」こと」
主人公を騙す女の子がセクシィ。でも、彼女って、本当に主人公の鑑定士の絵を盗むことだけが目的だったと思えない。それこそ「偽りの中に真実がある」のかな。
嘘と本物の境って実際とても曖昧、人の気持ちも。たとえそれが嘘だったり、偽りだったとしても、日々が豊かになったとしたら、それは、それで、ひとつの真にもなる。
もうひとつ、「イカとクジラ」のノア・バームバック。
はじめてのノア・バームバックは、ボストンのこぢんまりした映画館で観た「フランシス・ハ」これ、あんまり好きになれなかったのだけど、そのあと飛行機の中で観た「マイ・ファニー・レディ」を観て、関心をもつように。この作品、どたばた、人間関係たのしめたので。
「イカとクジラ」はタイトルが気になって、どうして、イカとクジラ?と思ったら、アメリカ自然博物館に展示されているマッコウクジラとダイオウイカが格闘する巨大な模型のことだそう。映画と話しそれますけど、どっちが強いの?と、隣の人に聞いたら、クジラにきまってんじゃんって。そうなのか。じゃあ、夫と妻、この場合、クジラが妻なのかな。
メイン人物の夫婦は、どちらも小説を書いているのだけど、やっぱり、作家と作家が一緒に暮らすの、すっごい、大変そう。別居後は、子供も猫も、行ったり、来たり、面倒だし。
ちらほら出てくる文学、映画作品、ポスターがユスターシュの「ママと娼婦」だったり、父と子が観にいく映画がリンチだったり、ディケンズやカフカのはなし、そういう台詞の細かい描写、いいな。
ちなみに「浸水」って、誰の作品なのでしょうか。